技術(tech)

Agile Tech EXPO2の参加レポートと発表者の資料を紹介

はじめに

2021/07/10にAgile Tech EXPO – New Normal Agile Episode 2に
オンラインで参加してきました。

それぞれの発表者の方の資料と参加レポートを思いつく限りで書き綴りたいと思います。

ちなみにですが、筆者が本イベントに参加した背景と動機は以下の通りです。

背景

  • 最近アジャイル(スクラム)開発の案件に従事し始めた
  • スクラムの理想と現実の狭間に悩んでいる
  • 最近勉強のモチベーションが伸び悩んでいるのを感じていた

動機

  • 他社がアジャイルに対してどのように向き合っているのか知りたかった
  • 色んな人の講演を聞いて、自身のモチベーション向上を図りたい
  • 単純に凄い人をお話を聞きたい

Agile Tech EXPOとは

 

アジャイル開発を実践している方々、アジャイルに興味がある方々に向け、マインドやフレームワークに加えて、技術の最新動向をお届けするカンファレンス

HPより引用

 

アジャイル開発に関するトピックを発信している、
アジャイル開発に興味がある人ならば誰でも参加できるカンファレンスなわけです。

当日は、DiscordとZoomを駆使して、チャットスペースとオンライン会議スペースを
行ったり来たりしながら、各発表者の講演をお聞きしました。

完全オンラインであるにも関わらず、特に問題もなく、スムーズにカンファレンスが
進んでいるのを見て、運営の方々にはただひたすら脱帽するしかなかったです。

それぞれの参加レポート

参加者限定の資料だったり、資料が見つからなかったり等、タイムテーブル通りに
資料がアップロードされていないかもしれません。何卒ご了承ください。

アジャイルガバナンスとシビックテック

関 治之 さん

Code for Japanの関さんのご講演。

一番聞きたかったのにも関わらず、急遽別用が入ってしまい、聞けず…(泣)

こちらに熱くまとめられている記事があり、
講演をお聞きできなかった身としてはとても参考になります…

 

マーケティングもリモート×アジャイルに ~ Agile Studio マーケティングチームの事例

岡島 幸男 さん

マーケティングチームにもアジャイルを適応しているという話。

最新のスクラムガイドを見てみると分かる通り、
アジャイルはエンジニアだけではなく、様々な領域に適応可能である。

社長もチームの一員、意見や提案は受けても指示命令は受けないと言った話が
とても印象的でした。
アジャイルチームに考える裁量を与えることが、主体性を生み出すために重要だなと。

弊社でも、人事部で「アジャイル導入してみました」
のような話があったらいいなと思い、夢を膨らませてました。

 

スポーツを支える会社がアジャイルについて思うこと

長田 学 さん

ボールの縫い目で何のスポーツなのかが分かるというアイスブレークが印象的でした笑

ラグビーチームが使うソフトウェアにも、アジャイルの考え方が使われているというのは、
なんだか不思議な気持ちになりますね。

 

開発の土台と変化への体制の整えから始める内製化という考え

gaoryu さん

 

どの講演に言っても耳にするのは、「内製化」ってキーワードだな思いました。

アジャイル開発をするなら「内製化」が大事なんだなとつくづく感じました。

gaoryuさんのLTで凄いなと思ったのは「即興資料」、
「ファシリーテーショングラフィック」です。
話を進めながら、ホワイトボードに図示していく姿には目を奪われました。

社内でも、あんな感じで打ち合わせをファシリテーションしてみたいな。

なぜ、アジャイル開発はうまくいかないのか? – プロダクトオーナーをサポートすれば、きっとうまくいく!

飛田 勲 さん、静 高志 さん

「わかる〜」の合いの手の練習をするのは、オンラインカンファレンスならではですね。

オンラインで無言の中話し続けるのも辛いので、
何かしら相互のリアクションが分かる仕組みが欲しいですよね。

  • 開発者がプロダクトオーナーの指示待ちな気がする
  • プロダクトオーナーがやばい(という話を他部署から聞く)

わかる〜
という冗談は置いておいて本題に入ります。

「プロダクトオーナーに全てを任せるな」
ついつい面倒なことはプロダクトオーナーに任せたくなる気持ち、とても分かります。

プロダクトオーナーが大変そうにしているときは、なるべく助けること。
プロダクトオーナーをサポートするPOA(POアシスタント)なる人がいるのも良いという話。

POAが育成枠になってしまうと、むしろPOの負担が増えてしまって、
上手く機能しないなと思ってしまうので、POAを立てる目的が大事だなと感じました。

技術を楽しむ設計

日高 正博 さん

技術書典の主宰である日高さん。

思い返してみると徹底した内製によるアジャイルな開発により、
技術書店のオンラインマーケットを僅か2週間で準備できたとのこと。

とはいえ、まっさらな何も無い状態から2週間でオンラインマーケットを構築したわけではない。約5年の技術書店イベントの運用の中で、手作業を少しずつ自動化していったため、ある程度のシステム基盤が構築できていたことが、今回の短期間構築に繋がったと話していた。

そんな日高さんが自動化を考える上で大切なことを語っていたのが印象的でした。

それは、「自分で体験してみること」です。
何でも自分で体験してみることで、自動化ポイントが理解できると言っていました。

配送のためのトラックを自分で引っ張り出したなんて話は、
日高さんらしさを表してるのかもしれません。

この業務経験により得られるのがドメイン知識なんだなと思いました。
このドメイン知識を活かすのがシステム開発における基本中の基本です。
筆者も「自分で体験してみる」を大切にしていこうと思います。

medibaにおけるアジャイル実践記

森竹 泰文 さん

初のスクラムマスターにチャレンジする中で実践した内容や課題、感じたこと等を
講演で発表してくださりました。

以下の3点が特に印象に残りました。

  • イベントを企画しまくることで社内でイベンターという認知が広まった
  • タイムボックスを区切って読書会を開催する
  • 組織変更に対応するためのチームビルディングの実施

イベンターの地位を確立する試みは、自社でも実践してみようと思いました。

筆者の組織でも、読書会は開催しているものの中々人が集まらないという点は
常々課題感を感じています泣

雑談対話ロボットをAgileに作る

信田 春満 さん

信田さんと会話しているRomiがとっても可愛かったです!

このRomiを生み出すまでに、
「仮設・検証・フィードバック」を「小さく繰り返した」という話が
とても印象に残っています。

このアジャイルの営みを繰り返す中で、
マネージャー層の興味を引き、理解を得るために
理想と現実の両側面からロードマップを示す
というアプローチをとっていたとお聞きしました。

例えば、「確実に作れる」が「面白さのクオリティは低め」なものと、
「できる可能性は低い」が「面白さのクオリティが高め」なもの、
それぞれのロードマップを提示します。

そして、それぞれができること、できないことを小さなサイクルで伝えることで、
夢が独り歩きしないようにしていたというお話でした。

自分が仕事を進める際にも、このサイクルの回し方が大切だなと思いました。

インフラチームのアジャイル実践ジャーニー

南 大輔 さん

いわゆるエンタープライズアジャイルにおいて、スクラム体制を構築していくための
苦労についてお聞きしました。
筆者の組織に最も近いお話であったため、とても親近感を持ちました。

スクラムチームの各ロールにリーダが配置されていたり、
共通のインフラチームと個別のインフラチームの間を繋ぐコンシェルジュという役割が定義されていたり、大規模な組織でスクラムを回すための工夫が散りばめられていました。

比較的大規模なエンタープライズアジャイルにおけるベストプラクティスの追究は
永遠の課題ですね…

プログラマとしての良心に従い続けるためにはどうすれば良いのか?

西見 公宏 さん

ここでも、やっぱり内製で進める開発が一番良いというワードが出ました。

納品のない受託開発という選択がとれる世界線になって欲しいです。

特に、SIerにおけるシステム開発では、納品がゴールになってしまいがちです。

納品なんて考えず、常にアップデートし続けて、
共にパートナーとして事業を支え続けられれば理想だなと思います。

SIerとアジャイル開発におけるこのジレンマに結論はあるのでしょうか…

おわりに

雑な感想にはなりますが、やはり他社の事例、全く違う組織の考え方を聞くと
頭の中がリフレッシュされた気になって良いですね!

システム開発と関係のない人事部なんかでアジャイル人材として働いてみたいなーとか、

マネージャー層の期待値コントロールをしながら面白そうな案件に巻き込みたいなーとか、

社内政治力を高めるためにもイベンターとして認知されたいなーとか

ポジティブなモチベーションが湧いてきました。
これだけでも本カンファレンスに参加した価値があったなと思いました。

ここまで見ていただき、ありがとうございました。

皆さんのご感想もお待ちしております。