はじめに
中古PCの選び方について、解説しているネット記事を見ていく中で、
盲目的に「core i○」がおすすめ!という内容をよく見かけます。
この記事を読むことで、「core i○」という選び方だけではなく、
より具体的なCPU性能の比べ方を理解することができます。
CPUによってはcore i5よりもcore i3のほうが処理性能が高いことがあり、
一概に「core i○」がおすすめ!とは言えません。
CPUスペックの読み方を理解できるようになることで、
中古パソコン購入時の失敗を避けることができます。
※内容を簡略化するために、IntelのCoreブランドCPUに絞って話をしていきます
想定する読者
- CPUのスペックの見方が分からない人
- CPUのベンチマークスコアと聞いて、ナニソレ?となる人
- 中古PCのCPUのスペックを「core i○」の数値部分だけで判断している人
そもそもCPUとは
central processing unitの略。中央処理装置,あるいは中央演算処理装置とも。演算部,メモリー部,外部入出力部から構成されており,コンピューターの中枢。命令を解読して実行したり演算を行いながら,外部入出力装置と信号をやり取りして制御する。
コトバンクより引用
CPUはコンピュータの頭脳部です。
性能が高いCPUは、より複数の処理を、より早い時間でこなすことができます。
性能が低いCPUは、複数の処理が苦手で、処理に要する時間が遅くなります。
CPU性能の基本的な見方
中古ショップのPCに記載されているCPU名の読み方
例えば、以下のPCを例にとって考えてみます。
スペックの概要を見てみます。
CPUは1.メーカー名、2.種類、3.プロセッサナンバー、4.製品番号の順でそれぞれ記載されています。
今回の場合、CPUは Intel Core i3-7100U であることが分かります。
これを順番に整理すると以下のようになります。
メーカー名 | 種類 | プロセッサナンバー | 製品番号 |
Intel | Core i3 | 7100 | U |
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
メーカー名
その名の通りです。Intelの他に、AMDというメーカーもあります。
種類
IntelのCoreブランドシリーズは以下の種類に分かれます。
同世代付近のCPUに限り、i○の数値で処理性能を比較できます。
世代については、次のプロセッサナンバーの項目で説明します。
i3 | ローエンド |
i5 | ミドルエンド |
i7 | ハイエンド |
i9 | i7よりもハイエンド |
プロセッサナンバー
ざっくりと言うと、数値が大きいほど高性能です。
特に重要なのが先頭の数値です。この数値が世代を表します。
先程の例の場合、プロセッサナンバーが「7100」なので、先頭の数値は「7」です。
つまり、第7世代のCPUであることが分かります。
世代が増すほど、より発売日時が新しいCPUとなります。
製品番号
製品番号毎に以下のような意味を持ちます。
なし | 通常版 |
X | 最上位モデル |
K | オーバクロック可能。通常版よりもワンランク上 |
S | 処理性能は抑えめだが省電力。ノートPCによく使われる |
少し余談…
CPUの処理性能を表す指標として、以下の2点もあります。
本記事では大きく取り上げないものの、処理性能を示す指標としてこちらも重要です。
- クロック周波数 → 単位時間当たりに実行可能な命令の数を表す
- CPUコア数 → 頭脳の数を表します。複数あれば、より並列に処理できます
Intel core i5, i7だから処理性能が高いとは限らない
ここで、本記事タイトルの意味が少しずつ見えてきます。
core i○の数値が高ければ処理性能が高いとは限らないのは、
世代が大きく関係しています。
結論言うと、古い世代のcore i7よりも、新しい世代のcore i5のほうが
処理性能が高い場合があるからです。
なぜなら、単純に昔よりも今のほうが技術的には進化しているからです。
同じcore i5だったとしても、企業努力の成果により製品はアップデートされていきます。より新しい世代になるほど、処理性能が向上しています。
そのため、core i7だからハイスペックである!と考えるのではなく、
CPUの世代も加味した上で、CPUの処理性能を比較検討する必要があります。
とはいえ、異なる世代間でCPUの処理性能を比較するとなると、
何かしらの共通のモノサシが必要となります。
このモノサシが、次から説明するベンチマークスコアです。
ベンチマークスコアとは
ベンチマークの結果として出力されるのがベンチマークスコアです。
PCにおけるベンチマークとは、PCに一定の負荷をかけることで
パソコンの性能を計測することを言います。
なお、ベンチマークはあくまで負荷をかけることを指しており、
その負荷のかけ方には色々な方法(ソフトウェア)が存在します。
実際に負荷をかけてベンチマークスコアを算出するため、
異なる世代間のCPUであってもベンチマークスコアを出力することで、
処理性能を比較することができます。
CPUの世代とベンチマークスコアの関係性
CPUの世代によるベンチマークスコアの違いについて、実際の値を見てみましょう。
ノートPCの場合は、こちらのベンチマーク比較サイトがおすすめです。
デスクトップPCの場合は、こちらのベンチマーク比較サイトがおすすめです。
![](https://gonkunblog.com/wp-content/uploads/2021/07/d4eb551e316555c7217b23d6c31b3aee-300x59.png)
まずは先程例に示した、Core i3 7100Uのスコアを見てみましょう。
※Core i3 7100Uのデータが無かったため、通常版のスコアを見ています
スコアは「3908」であることが分かります。
一方で以下のデータを見てみましょう。
Core i5 2300を見てみると、スコアは「3520」であることが分かります。
第4世代のCore i5よりも、第7世代のCore i3のほうが、スコアが高いです。
このように、世代も加味した上で、CPUを比較検討することが重要です。
※厳密には、コア数による比較も必要ですが、説明を簡単にするために割愛します
特に、中古PC市場においては、Core i5なので高性能!と謳いながらも、
蓋を開けて見ると、かなり昔の世代のCPUでむしろ低性能なんてことがあります。
必ず、世代とベンチマークスコアを見るようにしましょう。
ベンチマークスコア毎にできることの目安
CPUの世代とベンチマークスコアの関係性が分かってきたところで、
次に、結局「どの程度のベンチマークスコア」のPCを使えばいいの?
という疑問が湧くことかと思います。
ベンチマークスコア毎にできることの目安を以下の表にまとめてみました。
PCの用途に応じて、自分が購入する予定のPCに求められるスペックを
見つけていただければと思います。
ベンチマーク スコア |
できること | おすすめ度 |
6001 〜 | ※細かく分類するときりがないので割愛 ここまで来ると、やりたいことに合わせて PCのスペックを決めて購入することになる |
本記事で想定する読者にとっては オーバスペックであり、 おすすめしない |
4501 – 6000 | 大体何でも快適に使える なお、ゲーム用、画像・動画編集には力不足 |
お金に余裕があれば、+1万円して このクラスを購入するのもあり |
3001 – 4500 | ネットで動画視聴、オフィス等の操作が サクサク動く |
普段使いならばこのクラスでも 十分通用するためおすすめ |
〜 3000 | ネットサーフィン(動画を見ない)程度 | 今から購入するPCにとしては おすすめしない |
中古PC購入時にはベンチマークスコアを確認する
ここまで読んでいただけた方ならば、中古PCのCPUスペックを選ぶ際に、
何を確認すべきなのか、理解していると思います。
そう、自分が想定するPCの用途に必要なベンチマークスコアを満たしているのか、
以下のサイトを参考に、確認すべきです。
本記事で想定する読者の場合、ベンチマークスコアが3000よりも大きいことが、
一つの指標になると思います。
可能であれば、3000後半、4000代のCPUを選ぶと、失敗しないと思います。
まとめ
最後に、本記事のまとめは以下の通りです。
- CPUの処理性能はベンチマークスコアで比較する
- ベンチマークスコアは処理性能を測る共通的なモノサシ
- 普段使いのPCを選ぶならば、ベンチマークスコアが3000後半、4000以上のCPUを選ぶ
この記事を読んだことで、皆様のCPUの目利き力が向上すれば幸いです。
Intel core i7の中古PCを購入してみたら、思っていたよりも性能が良くなかった
なんてことが起きないようになれば、筆者としては嬉しいです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
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